2023年10月にパレスチナの軍事組織ハマスがイスラエルに大規模攻撃を仕掛けて以来、イスラエル軍によるガザへの激しい報復攻撃が続き、国際社会から批判の声が高まっている。そんななか、ホロコーストの歴史を抱えるドイツは一貫してイスラエルを支持しており、ひとたび「反ユダヤ主義」だとみなされれば、声がかき消され、言論の自由が奪われる事態が起きている。 パレスチナ人の存在を無視 「ドイツがやっているのは『罪』からの学びなんかじゃありません、『国家によるレイシズム』です」 10年前、2014年の夏にイスラエルがガザに侵攻したときに、パレスチナ・ガザ地区にいた父親とその家族11名の親族を一度に失ったというラムジー・キラーニ氏はそう言う。ガザ出身の父親と、ドイツ人の母親のもとにドイツで生まれ育った彼は、パレスチナ人としては「存在しない存在」として扱われてきたという。 「子どもの頃、周囲からはパレスチナ人な