はじめに 授業でトランジスタについて学んだ。オペアンプの動作原理も知っている。Razavi の教科書も読んでアナログ回路の基礎もマスターしたかもしれない。でも「じゃぁオペアンプの設計をしてごらん」と言われたら途方に暮れてしまうというキミ。本講義は、これまでの教科書には載っていなかったが回路設計者としては必須である雑多な知識を、設計の場面場面で考慮すべき事項としてまとめたものである。 トランジスタの動作原理や、ソース接地・ドレイン接地回路の利得、オペアンプや A/D、PLL など個別の回路技術、詳細な CAD の使い方などは、別途しかるべき教科書・ドキュメントで勉強していただきたい。本講義はそれらを補完し、回路設計におけるプラットフォームとなる知識を習得するための講義である。 研究室に初めて配属になった新人君や、それまで回路設計の経験がないけれど回路設計の部署に配属された新入社員にとって有用