ヤトロファという樹木が注目されている。種に油分を豊富に含んでいるため、バイオディーゼル(バイオ燃料の1つ)の原料として有用なのだ。しかも非食用で痩せた土地でも簡単に栽培できるため、穀物との競合や森林伐採などが起こりにくい利点もある。国内外でヤトロファ栽培に取り組む動きも盛んになっている。 温暖化対策や石油依存脱却などの観点で、近年バイオ燃料の存在感が増している。植物由来の燃料であるため、成長時に二酸化炭素を吸収するうえ、再生産が可能だからだ。現在までに米国を中心にバイオエタノール(原料はトウモロコシやサトウキビなど)が普及。また欧州を中心にバイオディーゼル(原料はヤシや菜種など)も普及しつつある。米グリーンエッジ社の予測によると、バイオ燃料の市場規模は2015年までに525億ドルに達する見込みだ。 ところがバイオ燃料が普及したため、副作用として穀物価格が高騰してしまった。食糧と燃料の双方か