→紀伊國屋書店で購入 「文化度ゼロ」の地点にむかわせる写真の力 日本の写真家が、国外でも積極的に活動するようになったのは、90年代半ばくらいからだろうか。それ以前にも展示の機会はあったが、写真家自らが意識してそれをおこなうようになったのはそのころからだと思う。 畠山直哉はその世代を代表する写真家のひとりである。2003年にヒューストン美術館で開催された「日本写真の歴史」展のシンポジウムで彼が講演したことも、それを裏付けているだろう。このとき彼は英語でプレゼンテーションしたが、そのこともインターナショナルな場面で発言できる写真家であるのを印象づけたはずだ。 その畠山がはじめて写真について言葉で語った本を出した。これまで行った講演やトークに手を入れたもので内容は多岐にわたっているが、話がそれると「それました」と修正するところに、いかにも自問自答の人らしい律義さがでている。だが、写真を語ろうとす
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