物質・材料研究機構(NIMS)は2016年10月、ペロブスカイト太陽電池のホール輸送層に用いる新規添加剤を開発し、光照射下での安定性を6倍以上に向上させることに成功したと発表した。 「単結晶シリコン太陽電池に匹敵するものを」 物質・材料研究機構(NIMS)エネルギー・環境材料研究拠点の韓礼元氏らの研究グループは2016年10月、ペロブスカイト太陽電池のホール輸送層に用いる新規添加剤を開発し、光照射下での安定性を6倍以上に向上させることに成功したと発表した。 ペロブスカイト太陽電池は、塗布法などの方法で安価に製造でき、研究レベルでは既に20%を超える効率が得られていることから注目を集める。有機無機ペロブスカイト材料を光吸収層とし、電子ホール輸送層を介して光生成キャリアを取り出す構造だ。 いくつかのセル構造の中でも、酸化チタン、ペロブスカイト、ホール輸送層で構成された順セル構造のペロブスカイト