現在、宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、火星の衛星表面からのサンプル採取と回収を目指す「火星衛星探査計画(MMX:Mars Moons eXploration)」を進めています。今回、火星の衛星から火星そのものの地表サンプルを間接的に採取できる可能性を示した研究成果が発表されました。 ■フォボスに降り積もった火星地表の物質は従来予想の10~100倍に達する見込み火星への天体衝突と衛星の関係を示したイメージ図。宇宙空間に巻き上げられた火星由来の物質は、一部が衛星の表面に降り積もるとみられている(Credit: 東京工業大学)火星に隕石が衝突すると、物質の一部が宇宙空間に巻き上げられ、時には地球にまで到達することがあります。火星の表面にかなり近いところ(高度6000kmほど)を周回している火星の衛星「フォボス」にも、隕石衝突によって巻き上げられた物質の一部が降り積もっていると考えられてきま