サンプル採取装置、動かず 失敗のリスクに青ざめ宇宙航空研究開発機構(JAXA) 元シニアフェロー 川口淳一郎氏(15)2021 / 8 / 13 エンジンの故障をはじめ数多くのトラブルに見舞われながら、困難を乗り越えて地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」。宇宙航空研究開発機構(JAXA)でプロジェクトマネージャを務めた、元シニアフェローの川口淳一郎氏は、小惑星からサンプルを持ちかえる世界初の試みを成功に導いた。川口氏の「仕事人秘録」の第15回では、サンプル採取装置のトラブルを振り返ります。 ◇ ◇ ◇ 燃料漏れトラブルへの対応に追われる中、着陸時のデータを何とか受信できました。燃料漏れの影響ではやぶさの電源は一度切れています。記録したデータがすべて消えてしまっている懸念があったのですが、幸い大半は無事でした。 しかし受信データを調べると、とんでもないことが分かりました。成功したと信じ