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ブックマーク / www.nippon.com (9)

  • レゲエ界に革命を起こしたリズム「スレンテン」は日本人女性が生み出した:カシオ開発者・奥田広子さん

    80年代半ば、レゲエ音楽にデジタル革命をもたらし、“モンスター・リディム”と称される「スレンテン」。その誕生の裏側には、カシオ計算機(社:東京都渋谷区)の電子キーボードと新卒の女性開発者の存在があった。スレンテンのルーツ・奥田広子さんが、初めてベールを脱ぐ。 スレンテンのルーツはカシオトーンの音源 ジャマイカのシンガー、ウェイン・スミスの『Under Mi Sleng Teng(アンダ・ミ・スレンテン)』は、レゲエの世界に革命をもたらしたと言われる。友人のノエル・デイヴィーと2人で、カシオの電子キーボードを使って作曲したダンスホール・レゲエだ。1985年に大ヒットすると、デジタル音の心地よく、常習性のあるリズムは、またたく間に世界中に広がっていく。 レゲエでは、ドラムとベースのリズム体を「リディム」や「バージョン」、「オケ」などと呼び、これを繰り返すことで曲に鼓動を生む。同じリディムで複

    レゲエ界に革命を起こしたリズム「スレンテン」は日本人女性が生み出した:カシオ開発者・奥田広子さん
  • ヨーロッパで進む「一帯一路」宇宙版│シリーズ・21世紀のスプートニク・ショック(7)

    中国の“宇宙戦略”はヨーロッパでも進んでいる。フランス、ドイツ、英国など欧州主要国がそろって中国と宇宙で協力関係を結んでいるのだ。そんな中、米国の衛星に対するサイバー攻撃が、ノルウェー領の島にある、中国の衛星にもサービスを行っていた地上局から行われたと疑われる事案が発生している。 欧州主要国にい込む中国 中国が地上と海上で「一帯一路」構想を進め、欧州大陸やインド洋深くに影響を拡大しようとしているのは、よく知られたところです。その宇宙版があります。通信、リモートセンシング、測位航法衛星群、地上施設の機能を統合し、これを「宇宙情報コリドー(回廊)」と呼んだうえ、拡大しようとするプラン。第13次宇宙5カ年計画(2016~20年)で、重点事項になりました。 前回までの記述から、やり方は既におわかりでしょう。中国製衛星を、継続して使ってもらう、運用を担う地上局の、建設と運用を肩代わりする、そこを拠

    ヨーロッパで進む「一帯一路」宇宙版│シリーズ・21世紀のスプートニク・ショック(7)
  • 途上国を次々と支配服属関係に│シリーズ・21世紀のスプートニク・ショック(6)

    中国は途上国での衛星打ち上げの肩代わりをきっかけに、技術面だけでなく、金融・経済面でも支配服属関係をつくっている。相手国の公共工事への優先参加権、地下資源採掘権の確保……。中国は「一粒で何度でもおいしい関係」が築ける宇宙ビジネスを展開している。 打ち上げの肩代わりから始まる深い関係 衛星打ち上げの肩代わりをしてやることから始まる中国と途上国の関係は、ことの成り行きからして、実力においてはるかに上の中国が有利なように展開します。 フィリピン(1997年)、ベネズエラ(2008年)、パキスタン(11年)、ナイジェリア(同年)、ボリビア(13年)、ラオス(15年)、アルジェリア(17年)が、各々の国で初めてとなる静止軌道衛星を、中国に作ってもらい、打ち上げました。加えて自国の地上局も、中国に建設を委ねています。 静止軌道衛星 赤道上空約36,000km の軌道上にあり、地球の自転と同じ周回周期を

    途上国を次々と支配服属関係に│シリーズ・21世紀のスプートニク・ショック(6)
  • 進む国連との連携│シリーズ・21世紀のスプートニク・ショック(5)

    中国は宇宙に関して、国連との連携を進め、国際的な会合を増やしている。中国がつくったアジア唯一の宇宙活動に関する国際組織に、箔を付けようとしているようだ。国際宇宙法や制度が形成途上なので、早めに自国の利益を確保しようとする姿も見えてくる。 国連との共催、協賛会合が増加 前回は、米国との関係を失った中国が、衛星打ち上げのカスタマーを第三国に求めるうち、おのずと途上国に市場を見いだしたこと、そこで生まれた関係は、二国間の力量差からして、支配と服属のそれになったことを述べました。 それだけでは、中国は権力づくの関係に、いかにも興味があるかに見えます。中国はさらにカスタマー国を束ねて、APSCO(アジア太平洋宇宙協力機構)という集まりをつくり、それを取り仕切りながら、利己的色彩を薄めつつ、実利をとる方策に出たところまでを見てきました。 そんな背景をもつAPSCOに、このごろではアジア唯一の政府間国際

    進む国連との連携│シリーズ・21世紀のスプートニク・ショック(5)
  • 「南南協力」で進む途上国支配|シリーズ・21世紀のスプートニク・ショック(4) 

    宇宙大国となった中国による途上国支配が進んでいる。中国は無償で衛星需要を満たしてくれるが、途上国はノウハウの蓄積はできず、中国に従属するだけ。世界の各地に宇宙監視の中国拠点が造られている。 衛星需要をまるごと請け負う中国 今日、中国はしばしば、途上国の衛星需要をまるごと請け負います。必要なスペック(仕様)に応じて衛星を中国で製造し、中国のロケットで軌道に打ち上げます。 発注国には、その衛星をコントロールする地上局が造られますが、ローカルスタッフには能力がありません。切り回すのは、中国が送り込んだ要員になります。発注国は、いつまでたってもノウハウを蓄積できません。2号機以降も、同じことの繰り返しになり、結局中国に従属することになってしまいます。 お客さんの衛星だとはいっても、中国はそこに、自分のための装置――測位センサーや光学センサーなど――を搭載させる(いわゆるホステッド・ペイロード)こと

    「南南協力」で進む途上国支配|シリーズ・21世紀のスプートニク・ショック(4) 
  • 宇宙版「一帯一路」への道筋|シリーズ・21世紀のスプートニク・ショック(3)

    今は各分野で火花を散らす米中だが、30年ほど前は両国が宇宙協定を結ぶ蜜月の時もあった。やがて、中国が米国から情報を窃取し、ミサイル開発に転用。両国の宇宙協力は途絶した。そこで中国は途上国に接近し、現在の宇宙版「一帯一路」への道筋が開けてきた。 外交の「飛び道具」 兵器として、他の衛星を攻撃するものでない限り、軍事衛星を打ち上げることが非難されることはありませんが、近年の衛星は軍事目的なのか民生利用なのかが必ずしも明らかではありません。多くの衛星は、軍事にも産業にも利用されている、という状況です。宇宙を利用する力が増すと、軍事ばかりか経済を強くする目的にも役立ちます。 外交の「飛び道具」にもなります。地上局のネットワークなど、外国を巻き込んでいくことで、対象となる国と長年にわたる親密な関係を築くことも狙えますから。 そうやって得た力を、また宇宙に振り向けていけばいい。そんな好循環は、およそ宇

    宇宙版「一帯一路」への道筋|シリーズ・21世紀のスプートニク・ショック(3)
  • 「宇宙大国」中国の実力|シリーズ・21世紀のスプートニク・ショック(2)

    ロシアを抜き去り、米国と宇宙の覇権を争う中国。その宇宙開発は今どこにいて、どこへ向かおうとしているのか。後れを取った日が知らない「宇宙大国」中国の実力を分析する。 軍用と民用に境のない宇宙開発 今の時代、宇宙開発で軍用と民用の境はありません。どちらかだけを取り出して伸ばすということは、技術的に高くつき過ぎるのです。米ソ冷戦の間、私たちはあまり知らずにいましたが、打ち上げられる衛星の実に75~80%は、軍事専用の衛星でした。 月刊誌『天文ガイド』(誠文堂新光社)には、ソ連や米国が打ち上げた衛星のリストが毎月載っていました。まだ日が人工衛星を軌道に乗せられずにいた頃など、「こんなにたくさん打ち上げているのか」と、特にソ連の実績に驚いた人がいたようです。それらのほとんどは、軍事衛星でした。 状況は、ソ連が崩壊して冷戦が終わり、21世紀に入る頃までに変わります。専用軍事衛星の占める割合は、20

    「宇宙大国」中国の実力|シリーズ・21世紀のスプートニク・ショック(2)
  • 中国最新鋭の量子暗号衛星「墨子」|シリーズ・21世紀のスプートニク・ショック(1)

    「21世紀のスプートニク・ショック」といわれる衝撃的な事態が宇宙で起きている。連載の第1回は、ハイテクの粋を集めた量子暗号衛星「墨子」を打ち上げ、米国を凌駕しつつある宇宙強国・中国の動向について、宇宙法の第一人者で、日の宇宙政策にも関わる青木節子・慶應義塾大学大学院法務研究科教授に聞いた。 青木 節子 AOKI Setsuko 防衛大学校社会科学教室助教授、慶應義塾大学総合政策学部教授などを経て、2016年4月より慶應義塾大学大学院法務研究科教授。1983年慶應義塾大学法学部法律学科卒業、90年カナダ、マッギル大学法学部附属航空・宇宙法研究所博士課程修了。法学博士(93年)。専門は国際法、宇宙法。 宇宙でも米中対決の時代 ——米中対決の時代です。その舞台はいまや宇宙に移りつつありますね。 青木 21世紀版「スプートニク・モーメント」(※1)といえる事件が3年前に起きました。重要な出来事な

    中国最新鋭の量子暗号衛星「墨子」|シリーズ・21世紀のスプートニク・ショック(1)
  • 激変の時代に対応を迫られる日本の有人宇宙開発

    宇宙空間で、人類がさまざまな開発を進める時代が到来しつつある。有人宇宙活動はこれからどんな展開を見せるのか。宇宙開発の動向に詳しい科学ジャーナリストが、日の進むべき道を考える。 2極体制から4極体制へ現在、世界の宇宙開発は激しい変化の時代を迎えている。主に有人宇宙活動について、この問題を考えてみよう。 宇宙開発が東西冷戦下における米ソの競争として始まったことは、周知の通りである。この競争は1991年のソ連崩壊で終結し、米国、日、ヨーロッパが進めるISS(国際宇宙ステーション)計画にロシアも参加することになった。すなわち、宇宙が米ソという2つの超大国のものであった時代が終わり、日、ヨーロッパを交えた4極体制で、宇宙というフロンティアを開拓する時代を迎えたのである。 ISSの建設は98年のロシアによる基機能モジュール「ザーリャ」の打ち上げによって始まり、2011年のスペースシャトル最後

    激変の時代に対応を迫られる日本の有人宇宙開発
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