愛知万博のあった海上(かいしょ)の森(愛知県瀬戸市)に隣接する林が市の中止勧告に反して開発された際、室町期のものとみられる窯跡(かまあと)が壊されていた。一帯は文化財保護法上の「埋蔵文化財包蔵地」だが、開発に必要な県教育委員会への届け出もされていなかった。 【写真】壊された大平窯跡と同じ形状で、約3キロ北東にある国指定史跡の小長曽(こながそ)陶器窯跡。斜面に穴が掘り抜かれ、黒く焼けた所(中央)が窯跡にあたる=瀬戸市文化振興財団提供 名古屋市のフジ建設による林の伐採と太陽光発電施設の設置が2月に発覚した後、県と瀬戸市が立ち入り調査をしてわかった。窯跡は14世紀後半と推定される「大平(おおだいら)窯跡」。造成されたのり面から窯の壁らしき黒い焼け土が現れ、周りから陶器片も多く見つかったことで、損壊が確認された。 瀬戸で焼き物の大量生産が始まるころのこうした窯跡は、過去に出土した茶わんなどから