新宿と箱根を結ぶ小田急電鉄の「ロマンスカー」。そのフラッグシップとして長年活躍した10000形が3月16日に引退した。同時に、JR御殿場線に乗り入れて静岡県の沼津まで走る「あさぎり号」も大きく変化。運行区間が御殿場までと短くなり、約20年間活躍してきた小田急20000形、JR東海371系が運行を終えた。この3つの車両は、いずれもバブル期生まれ。今からすると過剰とも思えるような豪華な設備が特徴だ。これらの車両を通して、革新的な車両が次々と生まれた90年代前半へタイムスリップする。 バブル期の特急“三種の神器”とは バブル期の特急用車両に共通するキーワードがある。それは「ハイデッカー」(高床構造)と「ダブルデッカー」(2階建て構造)、そして「コンパートメント」(個室)だ。前回紹介した東海道・山陽新幹線100系車両(1985年デビュー)に代表されるように、民営化を控えた旧国鉄は、サービスの向上を