【ニューヨーク=奥寺淳】中国の王毅(ワンイー)外相は27日、国連総会で演説し、日本と対立する尖閣諸島問題を念頭に、領土などの争いについて「すぐに解決できないなら、まずは棚上げしてもいい」と述べた。日本は尖閣諸島の領土問題の存在を認めていないが、争いの存在を認めた上での棚上げを国際社会に訴えた形だ。 特集「尖閣諸島 過熱する主張」 王氏は演説の前半で、国際社会で指摘される中国脅威論について、「中国は平和を愛する国で、覇権主義は唱えない」と反論。その直後に、「一部の国との間に領土・主権や海洋権益をめぐる争いが存在する」と切り出し、国際機関や第三国を交えた協議ではなく、当事者間の話し合いで解決することを求めた。 また王氏は、かつて尖閣問題について「我々に解決の知恵がない場合は次世代で」と唱えた●小平氏(●は登におおざと)の争いを避ける外交方針を持ち出し、現在でも領土・主権問題について解決でき