★(3) 中国経済は「アリ地獄」に落ちた。「負の連鎖」が最悪の方向へ暴走し始めたことが、種々の経済データや現状分析から明瞭に観察できる。 今年6月以来の「上海株暴落」と、8月の「人民元切り下げ」。続いた「天津大爆発」により、世界第4位の港湾施設が麻痺(まひ)し、輸出入が激減したばかりか、北京への貨物輸送が途絶えた。 この前後の、経済動態を緻密に検証してみる。リーマンショック直後からの財政出動、強気のインフラ投資、新幹線建設はまだしも、各地にゴーストタウン(鬼城)が出現したあたりから、中国経済は崩落への道に突き進み、「負の連鎖」が始まっていたことが分かる。 中国の経済政策は制度上、国務院(=日本の内閣に相当)が所管する。このため、李克強首相が経済政策の中枢を担い、彼の推進する中国の経済を「リコノミクス」と呼ぶ。李氏自らが認めたように、中国のGDP(国内総生産)統計は水増しが多く、信頼するに値