最新の研究によると、地球に衝突して月をつくった天体テイアの一部は、今も地球のマントルの奥深くに残っているという。(ILLUSTRATION BY HONGPING DENG, HANGZHOU SPHERE STUDIO) 今から約45億年前、初期の太陽系では原始惑星同士が衝突する巨大なピンボールゲームが繰り広げられていた。この時代に、まだできかけだった地球に火星ほどの大きさの原始惑星「テイア」が衝突した。衝突は非常に激しく、砕けたテイアの破片が地球の軌道付近に散乱し、やがてこれらの破片が合体して月ができた。(参考記事:「知っておきたい月の話、驚きの誕生物語から白黒模様の正体まで」) 新たな研究結果によると、この衝突の際にテイアの一部ができかけの地球の表面に残り、やがて深く沈み込んでいった可能性が出てきた。11月1日付けで学術誌「ネイチャー」に掲載された論文によると、現在の地球のマントルの
