経営者にとって、情報システムは頭痛の種になりがちだ。業務に必須だが投資に見合った効果が出るとは限らない。ほかの設備投資に比べて専門的で難解でもある。 野村総合研究所で約20年間勤務した後に、人材派遣大手スタッフサービスのCIO(最高情報責任者)を務め急成長を支えた著者が、ベンダーとユーザー両方の視点から、“システム屋”の思考回路と、上手な付き合い方を説く。 前回(第8回)では、情報システムを構想する際の考え方について「遺失物管理システムとM&A案件管理システム」を例に挙げて説明しました。 もう1つ、事例を挙げたいと思います。「最適化」「ベストマッチング」とは何かという問題です。 私は野村総合研究所に勤務していた2000年ごろから、人材派遣大手のスタッフサービスの情報システムにかかわることになりました。その後、フリーランスを経て、2003年に結局スタッフサービスに入社しました。 当時、スタッ