[第20回] 魚を乱獲し続けると、海の生態系は壊滅する 『沈黙の海 最後の食用魚を求めて』 Tyst håv Jakten pa den sista matfisken イサベラ・ロヴィーン Isabella Lövin 欧州議会議員 いま、世界各地の海で水産資源が減りつつある。海洋汚染のせいでも、地球温暖化のせいでもない。乱獲が最大の原因だ。『沈黙の海』を書いた欧州議会議員のイサベラ・ロヴィーンさんは「このままでは海の生態系が壊滅してしまう」と警告する。6月に来日したロヴィーンさんに、世界の漁業の問題点や日本の果たすべき役割などを聞いた。 ――タラのように日本人にもなじみのある魚が、これほど危機にひんしているのですね。驚きました。 「魚は誰のものでもなく、みんなの資源です。国際社会は歩調を合わせて問題に対処してほしい」 ロヴィーン カナダ・ニューファンドランド島の周辺では、1990年代前