この世のものとは思えない「アバター」のすごさ 2010年2月5日(金)08:00 (フィナンシャル・タイムズ 2010年1月22日初出 翻訳gooニュース) ピーター・アスプデン ポピュラー・カルチャーの傑作というのは得てしてそういうものだが、ジェイムズ・キャメロンの3Dサイエンス・フィクション大作『アバター』は、決して深遠な作品ではない。しかし、映画史上最高の興行収入を記録しつつある『アバター』について、細やかな機微に欠けるとか、脚本に欠点があるとか、そういう批判をするのは、全くもって的外れなことだ。それはまるで、ビートルズの『I Want to Hold Your Hand』の歌詞を批判したり、ベートーベン後期のピアノソナタはダンスに向かないと批判するようなもの。ごく稀にだが、狙いを全て実現する芸術作品というものがある。とある芸術ジャンルの方向性そのものを大胆に変えてしまう作品も、ごく