感情の対立 8月22日、グラウンド・ゼロ周辺はモスク建設反対派と賛成派のデモ隊で埋め尽くされた Jessica Rinaldi-Reuters 9・11テロの現場となったグラウンド・ゼロ(ニューヨークの世界貿易センタービル跡地)の近くにイスラム教のモスク(礼拝所)を建設する計画をめぐって激しい論争が続いているが、反対派の主張はことごとく論破されつつある。 13階建てのモスクが建つ? いや、そんな計画はない。グラウンド・ゼロの真上に建設される? 何度も言っているように、2ブロック離れた場所だ。建設計画の中心人物であるイスラム指導者、ファイサル・アブドゥル・ラウフは過激な思想にとらわれている? 単なる迷信だ。 ラウフの背後に正体不明のスポンサーがいるという説も憶測にすぎない。ラウフが論争を煽っているって? バカらしい。彼は取材の電話を折り返そうとさえしない。怒りを爆発させているのは建設反対派の
8月24日夜、ニューヨークでタクシーの運転手が襲われた。イスラム教徒を狙った犯行と見られている。ニューヨーク・タイムズ紙によると、ニューヨーク州ブルースターに住むマイケル・エンライト(21)は、運転手のアーマド・シャリフ(43)にイスラム教徒かどうかを尋ねた上で、喉や顔、腕にナイフで切りつけたという。 9・11テロが起きた世界貿易センタービルの跡地「グラウンド・ゼロ」近くのモスク建設計画をめぐる対立が激しさを増すなか、外国人嫌いとイスラム恐怖症があまりに露わなぞっとする犯行だ。 先週末には、モスクの建設予定地で反対運動をしていたグループが、前を通りかかったアフリカ系アメリカ人を罵倒する騒ぎがあった。反対派グループは、この通行人はイスラム教徒でモスク推進派だと勘違いしたのだ。その様子はビデオにも残っている。 こんなことは情緒不安を抱えたごく少数の人間がやることだと思いたいのは山々だが、実際に
南アフリカのサッカーに影を落とすアパルトヘイトの亡霊 2010年6月29日(火)08:00 (フィナンシャル・タイムズ 2010年6月24日初出 翻訳gooニュース) サイモン・クーパー 単なる国歌斉唱に過ぎなかったが、このあり得ない国がとてつもなく誇らしく思える瞬間ではあった。寒さで凍えるプレトリアのスタジアムで、南アフリカ人が、白人も黒人も一緒になって立ち上がり、国歌「Nkosi Sikelel' iAfrika(神よ、アフリカに祝福を)」を一斉に歌ったのだ。コサ語からアフリカーンス語まで、5つの言語全てで。そうだよ、認めるよ。泣いてる人もいたよ。 南アの代表チーム「バファナ・バファナ」はその後、ウルグアイにぼろ負けしたが、それはある意味でもうどうでも良かった。南アフリカは、素晴らしいサッカーチームがあるから特別なのではない。ひとつのまとまった南アフリカが存在するそのこと事態が、特別な
ひさしぶりにネット上をうろうろしていたら、やおい・ふたけっと系のサイトについて、とても興味深い議論が交わされていた。その話題自体は、「やおい系」というのは(おそらく)分野的にわたくしの専門であるはずのところにかなりかぶってくるテーマなのだけれども、不明にして殆どリサーチも考察もしていないので(そしてその割にかなりinflammableなトピックだし)とりあえず今は口を閉じておくとして。(などと書いてほうっておいたら、既に話はちょっと他へと動いてしまっていたのだけれども、まあ、以下はそこでの議論に直接関係があるわけではないので、そのままアップしちゃいます) その議論を読んでいてちょっと思い出したこと。というより、常にアタマのどこかに引っかかっていることなのだけれども。 クイア・スタディーズのゼミで、「性の商品化」はありやなしや(って何だか大上段ね)というテーマでのディスカッションがあった時の
フランス南西部ラングレで、違法キャンプを閉鎖しようとする機動隊ともみ合う「非定住者」たち=2010年8月13日、AP 【パリ福原直樹】国内を放浪するロマ族や「非定住者」の違法キャンプの撤去や、移民出身の犯罪者に対する「国籍はく奪」などの政策を打ち出したフランスのサルコジ政権に対し、国内外から「外国人や移民の排斥だ」との強い批判が出ている。国連の差別撤廃委員会では「ナチスまがいの政策」との異例の強い意見が出た。15日には、ロマ族などが高速道路を車両で一時封鎖しサルコジ政権に抗議した。 仏では7月、アラブ系の移民や、国内を放浪する「非定住者」が、警官に発砲したり商店を略奪する暴動が起きた。これに対しサルコジ大統領は(1)違法キャンプ撤去(2)移民出身者が警官を殺害した場合の国籍はく奪--などの方針を表明。仏政府幹部はイスラム教に基づく「一夫多妻主義」を実践する移民の国籍はく奪も示唆した。 だが
早尾貴紀氏のシュロモー・サンド評価に対する訂正にも少々関連して、「STOP!!無印良品キャンペーン」への賛同と若干の疑問について述べておきたい。 まず基本的な立場についてだが、私は無印良品のイスラエル出店には反対であり、「STOP!!無印良品キャンペーン」にも概ね賛同しているし、この問題をご存じない方には下記のサイトをご覧になるようお勧めしたい。 STOP!!無印良品キャンペーン:「アパルトヘイト国家イスラエル出店に反対します」 http://palestine-heiwa.org/muji/ ただ、その上で若干疑問に思う点があるので、あるいは杞憂かもしれないが、以下に指摘してみたい。 「STOP!!無印良品キャンペーン」では、「今どきアパルトヘイトを支持する人なんてそうそういるとは思えません」という言葉が繰り返し語られることで、「アパルトヘイト国家」イスラエルの異常さが、「アパルトヘイト
無印良品に対して働きかけを行ったみなさまに敬意を表します。 また、良品計画社内でイスラエル出店中止のために尽力された方々にも敬意を表します。 2010年12月1日 良品計画:ニュースリリース 株式会社良品計画(東京都豊島区/代表取締役社長 金井政明)は、2010年4月12日に当社ニュースリリースにて発表しましたイスラエルへの出店計画の中止を決定いたしました。 当社は当該リリース発表後の具体的調査の結果、経済的な理由により、本計画の中止を決定しましたので、ここにお知らせいたします。 ニュースリリース:イスラエル出店計画中止のお知らせ 無印良品やイスラエルBDS(ボイコット)に関することを中心に最新の話題をお伝えします。 2011.01.22 (株)良品計画の回答を受けての見解 「Stop!! 無印良品 in 東京」実行委員会 (株)良品計画の回答要旨 「Stop!! 無印良品 in 東京」実
このブログがアップされている頃には、ドイツは決勝に勝ち進んでいるだろうか。 2010年ワールドカップ南アフリカ大会でのドイツチームの立役者のひとりに、メスード・エジル選手がいる。甘いマスクのイケメン、21歳の彼は、トルコからの移民家族の子としてドイツのゲルゼンキルヒェンに生まれた。サッカー界に中東系移民の二世、三世が多いことは、2005年に引退したフランスのジダン選手がアルジェリア出身の移民二世だったこともあって、よく知られている。現在のドイツチームではエジルの他にも、チュニジア系のケディラなど、中東系移民出身の選手が活躍中だ。 このエジルの活躍に、トルコのナショナルチームが反応した。ヒディンク現トルコ監督(ワールドカップ日韓大会のときの韓国チーム監督)がトルコの主要日刊紙「ミリエット」で、「ドイツはエジルのパスポートを偽造した!」と述べたのである (トルコ語新聞の邦訳は、東京外国語大学の
ご無沙汰しております。 そこここで既に情報が出ていることですけれども、2010年6月19日、ベルリンのChristopher Street Day(ベルリンのプライド)からおくられることになっていたCivil Courage Prize(勇気ある民間人に贈られる賞、という事のようです)を、ジュディス・バトラーが拒否する、という出来事がありました。受賞拒否スピーチがYouTube に上がっていて、これがまたきれいにまとまってそれなりに気持ちのあがるスピーチな上に、そもそも良い感じの落ち着いた声をしているバトラーがドイツ語で演説すると「ブッチすぎて萌え」 等という感慨も誘発したりしなかったりするわけですが、そんな事は勿論どうでも良くて。 勿論、バトラーというクィアスタディーズ業界での知名度とか業績とか影響力でいったら世界でもトップ数人に入るだろうというオオモノがこんな事をやったのね!というのは
今朝ニュースを読んでいて目を見張った。 なんとあのエメット・ティル殺人事件を再捜査する旨を米司法省が発表したのだ! この間のマーカス・ディクソンの釈放ニュースといい最近信じられないニュースが続き 私は仕事中にもかかわらず飛び上がりそうになった。 エメット・ティルの名前はご存知の方も多いと思うが改めて書きたいと思う。 (彼の名前はカンエ・ウェストなどのラップのリリックにも出てくる) エメット・ティル殺害事件とは1955年にシカゴからミシシッピ州を訪れていた少年の無残なリンチ殺人で 当時の公民権運動の触媒となった出来事である。 殺害の写真は国中を震撼させた。 彼は体中を激しく殴られており、頭部はほぼ横半分に割れている状態であった。 片方の目はほじくり出されて、鼻は切り落とされ、下顎は粉砕していた。 主犯と見られる2人の白人男性−ロイ・ブライアントと彼の半弟J.W.ミラム−は全白人の陪審員によっ
- エメット・ルイス・ティル Emmett Louis Till - <歴史に残る殺人事件> 1955年8月24日、エメット・ルイス・ティル Emmett Louis Tillという名の黒人少年が二人の白人男性によって惨殺されるという事件が起きました。その後、この事件の裁判は全国的に注目を集め、拡がりをみせ始めていた公民権運動に大きな影響を与える歴史的事件へと発展してゆくことになります。 当時、こうした白人による黒人のリンチ殺人はそれほど珍しいことではありませんでした。そのため、そのほとんどは地方紙の片隅に小さく載せられる程度の扱いしかうけていませんでした。 ではなぜ、この事件が歴史的大事件として注目を浴びることになったのでしょうか?それにはいくつかの理由がありました。だからこそ、この事件は歴史の流れにおける時代を象徴する存在として選ばれることになりました。そして、エメット・ティルの
本当だ。短い間だったけれど、マイケル・ジャクソンは本当の「キング・オブ・ポップ」だった。そしておそらく、最後のキング(王様)となるのだろう。 古くはフランク・シナトラが「王様」だった。エルビス・プレスリーも、ビートルズも「王様」だった。しかしマイケル以後は、音楽ジャンルの極端な細分化が進んでしまった。どんなにカリスマ的な人気の持ち主も、もはやジャンルを超えてすべて人の心を動かす「王様」にはなり得ない。 その絶頂期にはブログも携帯メールもなかったが、マイケルの訃報が伝えられると、アメリカの簡易ブログ・サービス「トゥイッター」にはサーバーが落ちるくらいの書き込みが殺到した。 マイケルが音楽界の「王様」だったのは80年代のこと。82年に発表したアルバム『スリラー』の売り上げ枚数は史上最高で、いまだに破られていない。しかもマイケルは、そのずっと以前から、自らの思い描く自己イメージをひたすら演じてい
イスラエル軍によるパレスチナ向け国際支援船の拿捕、攻撃が大問題になっている。 1967年以来イスラエルに占領されてきたガザでは、イスラエルによる経済封鎖が続いている。この惨状を危惧して、国際的な人権団体がガザに支援船を送った。ところが、イスラエルは5月末以降、それらの船舶を公海上で拿捕、死者を出す行動に出、世界各地で批判が一斉に噴出した。 なかでも6月5日に拿捕された支援船の船名は、実に象徴的である。「レイチェル・コリー」号という名は、2003年、パレスチナで命を落としたアメリカ人女性ボランティアの名をとったもの。占領地で次々にパレスチナ人の住居を情け容赦なくブルドーザーで潰すイスラエル軍の行動をとめようと、コリーさんはパレスチナの「盾」として働いていたが、結局イスラエルのブルドーザーに轢かれて命を失った。「欧米の人権団体がなんぼのもんじゃい」というイスラエルに対して、国際人権団体の、「押
ヒトラーを描いた映画といえば、まず思い浮かぶのは04年の『ヒトラー〜最後の12日間』。73年にはアレック・ギネス主演で『アドルフ・ヒトラー/最後の10日間』という映画も撮られているが、こちらはあまり知られていない。一番有名なのはチャップリンの『独裁者』かもしれない。 20世紀最大の著名人といっていいヒトラーの映画が少ないのは、あまりに政治的に微妙なためだろう。ネガティブに描けば偏執的独裁者というワンパターンに陥るし、ポジティブに捉えればあちこちから反発が起きる。 その最難関なテーマにボリウッドが挑むらしい。ボリウッド映画でおなじみの男優アヌパム・ケールがヒトラーに、元ミスインドの女優ネハ・デュピアがヒトラーの愛人エーファ・ブラウンに扮する『ディアフレンド・ヒトラー』の制作発表が今月8日、ムンバイで行われた。 なぜインド映画がヒトラーを??? ラケシュ・ランジャン・クマール監督のコメントを聞
今日のホノルル・アドバタイザー紙に、異人種間結婚の統計にかんする記事が載っています。この統計は、ハワイに住んでいる人にとってはとくに驚くことはなにもない(むしろ、日常生活で受ける印象からすると、この数字は予想より低い感じすらする)のですが、アメリカ本土や日本の人にとっては、なかなか興味深いのではないかと思います。 ハワイ先住民と白人植民と大量のアジア移民がまじわって歴史を形成してきたハワイは、もう何十年も、結婚している男女における異人種間結婚の割合がダントツで全米一であり続けてきました。現在では、ハワイで結婚する人々のうち3割近くが異人種間の結婚です。ただしこれは、国勢調査などでつかわれる「人種」カテゴリーを使って「異人種間」と定義されたものなので、たとえばフィリピン系の人と中国系の人が結婚した場合は、同じ「アジア系」同士の結婚とされ「異人種間結婚」には含まれません。このような「異民族間」
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く