エコカーでトヨタ自動車のライバルと目されるホンダが悩んでいる。ハイブリッド車の対抗馬「インサイト」は、トヨタの「プリウス」に完敗。電気自動車やプラグインハイブリッド車で巻き返しを狙うが課題も多い。 自動車業界の勝ち組――。 2008年秋以降、世界経済が変調を来す中で、業績の堅調さが際立つホンダにはそんなイメージが強い。いち早く世界最高峰の自動車レース「フォーミュラ・ワン(F1)」から撤退し、生産調整にも踏み切る一方、2009年2月にはハイブリッド車の「インサイト」を投入、トヨタ自動車の「プリウス」への対抗馬として名乗りを上げた。攻守に機敏な舵取りが高く評価された。 そんなホンダがエコカー戦略に悩んでいるというと、意外に感じる人も少なくないだろう。一見するとホンダの戦略は当たっているように思える。ハイブリッド車では、今年2月に発売したスポーツカータイプの「CR-Z」もヒット。発売からわずか1