ご存じのとおり、日本は世界に誇るゲーム王国である。日本のゲームとマンガ、アニメーションが世界一高い水準をもったエンターテインメント産業であるのは、異論のないところだろう。しかし、産業構造上の事情からか、ゲーム産業と音楽産業は十分なシナジー効果が得られていないように思われる。今回は、ゲーム音楽の著作権とその権利処理の実務について詳しく解説しよう。 ゲーム音楽の歴史まず、ゲーム音楽の歴史について簡単に説明しよう。ファミコン(1983)やセガサターン(1994)、プレイステーション(1994)、NINTENDO64(1996)といった家庭用ビデオゲーム機が次々に販売された当時、JASRACにはゲームソフトのための使用料規程がなかった。そのため、JASRACでは音楽をゲームソフトに利用する場合の著作権使用料について、ビデオグラムの使用料規程を準用していた。しかしながら、JASRACが準用したビデオ