今年8月31日に音声合成ソフト「初音ミク」が15周年を迎える。かつてインターネット上を中心に盛り上がりを見せていた「ボカロ」音楽は、今や米津玄師やYOASOBIの大ヒットによって、J-POPを語る上で外せないものとなった。 ここでは、2016年から東京大学教養学部にて開講されている講義「ボーカロイド音楽論」を再構成した鮎川ぱてさんの著作『東京大学「ボーカロイド音楽論」講義』より一部を抜粋。キャラクターとしての初音ミクの位置づけについて紹介する。(全2回の2回目/前編を読む) ◆◆◆
初音ミクを筆頭とした音声ソフトウェア・VOCALOID(ボカロ)。これらを用いて作られた楽曲は、はじめこそニコニコ動画という局地的な場所のみで親しまれるものだった。しかしカルチャーシーンにおいてインターネットを発信とする文化が浸透し始めた現代、VOCALOID曲は音楽シーンを支えるひとつのカテゴリーとして成長を遂げている。 だがこのボカロを用いた楽曲を、単に一般的な音楽の一ジャンルとして括ってしまうのはあまりにも粗雑なカテゴライズと言えるだろう。一口にボカロ曲と言えどポップス、ロック、クラシックにジャズ、エレクトロといった実に多彩なジャンルの音楽が存在しており、中でも特に黎明期より一ジャンルとして根強い人気を誇るのが、いわゆるロック系の楽曲であるVOCAROCK、そして「ミクノポップ」「VOCALOEDM」などと総称される電子音楽系ジャンルだ。今回テーマとするのはVOCALOIDシーンにお
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く