帯に羽生善治さんのことばが載っている。 これは物語ではなく 現在進行形の現実である。 グーグルとネット社会の未来について、 希望と不安が見えてくる。 いろいろ深読みもできそうな、なかなか味わい深いことばだ。内容はというと、基本的には梅田式ウェブ論のまとめ。個別のアイテムをとれば、梅田さんのブログの愛読者はすでに読んだことのあるものも少なくない。しかし、本というコンパクトなかたちで、体系をもって提示されることの意味は大きい。この本が私たちに与えてくれるものは「知識」ではなく、「思想」だからだ。知識はデータだが、思想は体系。梅田さんのブログ記事のプリントアウトを集めて再構成しても、私にはこの本を書くことはできない。そういうことだ。同じ意味で、Google礼賛にみえる部分もあるが、本書の本質はその見解そのものではなく、その見解に至った「思想」にある。 本書のテーマは「立ち位置」が難しい。想像だが