ちょっと想像してみてほしい。あなたの勤務先に2つの職場があるとする。「業務を遂行する際に大量のチェックリストを渡されて、作業を終えるたび成果物をチェックするよう命令される職場」と「チェックリストが無くても作業ミスを防げるよう作業手順の改善が日々行われている職場」だ。どちらかを選びなさい、と言われたら、どちらへの配属を希望するだろうか。たぶんほとんどの人が、後者を望むのではないだろうか。 それにもかかわらず「ヒューマンエラーで起きた品質事故の再発防止策を考えろ」と言われると、原因は「担当者の注意不足」とし、対策は「チェックリストを作り確認を徹底」としてしまうマネジャーが、少なくないらしい。 筆者がこのことを意識するようになったきっかけは、旧所属部署(2010年12月まで日経情報ストラテジー編集部)で担当した「なぜなぜ分析」の連載記事だ。この連載は、独立コンサルタントであるマネジメント・ダイナ
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