【ワシントン=勝田敏彦】米食品医薬品局(FDA)は、犬の皮膚にできるがんの一種、肥満細胞腫の治療に使う抗がん剤を承認した。犬専用の抗がん剤の承認は米国で初めて。これまでは人間用の抗がん剤を転用しており、「動物医療における重要な前進」(FDA)としている。 この薬は米製薬大手ファイザーの動物用医薬品部門が開発した「パレイディア」。FDAが3日付で承認した。 錠剤で、がん細胞を殺すほか、がん細胞に栄養を運ぶ血管ができるのを防ぐ。犬による臨床試験では、6割の犬で、がんが小さくなったり、消えたりすることが確かめられた。治療では、獣医師が処方し、獣医師か飼い主らが犬に飲ませることになる。 米獣医学協会によると、ペットががんになることは珍しくなく、10歳を超えた犬や猫の半数はがんで死んでいる。また、ファイザーによると、米国では毎年120万匹の犬ががんにかかっている。 手術や放射線療法、抗がん剤