虎屋文庫 研究主査 森田環 日本を東と西に分け、風習や人々の気質などを比較することは興味深く、古くから文献にも取り上げられてきました。食べものも例外ではなく、材料や調理方法の違いなどが、テレビや雑誌などで紹介されているのを見かけます。今日は菓子にまつわる東西の違いについて、東は東京、西は京都・大阪、いわゆる京阪を例にして見てまいりましょう。 一般に、こし餡で汁気の多いものは、東京では「御膳汁粉」、京阪では単に「汁粉」と呼ばれます。一方、粒餡で汁気の多いものは、関東では「小倉汁粉」あるいは「田舎汁粉」といい、京都や大阪では「ぜんざい」と呼ばれます。ところが東京で「ぜんざい」というと、餅や蒸した粟などの上に、汁気のない餡をかけたものを指します。 おなじみの「汁粉」と「ぜんざい」ですが、いつごろから食べられるようになったのか、なぜ東と西で言葉の使いわけをするようになったのか、残念ながらはっき
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