「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件を受け、ユッケなどの生食用牛肉を扱う食肉処理業者や飲食店を対象にした厚生労働省の新基準が10月1日から施行される。「生の牛肉は食中毒の危険性が高い」として表面加熱を義務付け、罰則を新設する従来より厳しい内容の上、施行までの期間も短く、焼き肉店関係者からは「ユッケは出せない」と悲鳴も上がる。 新基準の対象はユッケと牛刺し、牛たたき、タルタルステーキ。違反すると営業停止のほか、悪質な場合は2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が科される。 関西を中心に焼き肉店を展開する会社の実験では、従来基準で提供できるのは元の肉の8割程度だが、新基準では3~4割になると判明。この会社の担当者は「現在は800円前後のユッケが2千円を超えることもあり得る。これでは提供できない」と頭を抱える。