この世に一人の女の子がいるわけよ。どう考えてもバカで、か細くて、ひ弱で。その上悩みを抱えているわけよ、これがまた。人生を上手くコントロールできない。世知にも長けていない。無鉄砲で無茶。後先考えない。そのくせ好奇心だけは旺盛。無謀な勇気だけは持ち合わせている。そして愛がある。愛があって誇りがある。だから彼女は夢を抱いているわけだ。何かしら自分の愛を誰かに届けたいと。そうして自分の行いを誇りたいと。まあそんな夢だ。 女の子は何にも知らない。驚くほど無知。愛と勇気だけが友だち。だから突き進む。これまで無茶に突き進んできた。途中、あっちゃこあっちゃにぶつかりながら。傷つきながら。挫けながら。倒れながら。それでも諦めないわけだ。色々な理由があるけど、一番は負けず嫌いだからだ。証明したいのさ。私は今ここに生きているということを。私の人生はけっして踏みにじられていないということを。私は人生が、生きるのが