SF作品によく登場し、皆がよく知る架空の科学技術について、現在ある技術と科学理論を元にその実現可能性について詳細な議論をしている。SFのタネがぎっしりと詰まっているだけあって、知的好奇心をくすぐられる1冊であり、年末年始の暇な時間に皆様のsense of wonderを刺激してくれる良書だと思う。 この本で面白かったのは、不可能な技術について羅列して短絡的に議論するのではなく、不可能のレベルを3つのカテゴリーに分けている点。 「不可能レベルI」は現時点では不可能だけれど、既知の物理法則には反していないテクノロジーで数百年単位で実現が可能になるかもしれない技術。本書ではこのカテゴリーが最も多いのだけど、例えばこのカテゴリーには不可視化、テレポーテーション、UFO、テレパシー、スターシップなどがカテゴライズされる。驚くべきことに、ミチオ・カク氏はこれらの技術が全て数百年以内に実現可能だと言って