世界中で1億人以上が使う電子決済サービス「ペイパル」の共同創業者のピーター・ティール氏(47)が朝日新聞の単独取材に応じ、「ベンチャー企業は、圧倒的に利用者の使い勝手を高められるような未開拓の領域に挑むことが重要だ」と語った。大手IT企業が膨大な個人情報を持って影響力を強めるなか、起業家の奮起を促した。 ティール氏は98年に起業し、インターネット取引での決済ビジネスの可能性にいち早く注目した。ペイパルの1日あたりの決済件数は2014年末時点で1150万件にのぼる。ティール氏は「独創的なアイデアをもとにして、ほかの企業にまねをされないうちに素早く市場のシェアを押さえたからだ」と分析する。 米国では近年、グーグルやアップルなどの巨大企業が決済事業に参入し、ベンチャー企業も交えて競争が激しい。「すでにかなり便利なサービスがある場合、大手と同じ土俵で戦っても、ベンチャーにとって有利とは言えない」と