「子ども兵の戦争」 P・W・シンガー 日本放送出版協会 「戦争請負会社」の著者、P・W・シンガーのレポート第二弾。 これ以上重いテーマはないかもしれない。 民間企業が戦争に大きくかかわってきたこととに加え、戦争がどれだけ多様化・複雑化しているか。 思っている以上に大勢の子どもが、兵士として戦争に加わっている。 ほとんど研究されてこなかったこの分野に関する、その歴史、現実、防ぐための対策などを論じている。 著者の、新しい問題へチャレンジする勇気ある姿勢と、冷静な語り口、綿密なレポートを、私は非常に高く評価している。 子ども兵を使う側は、未熟だからこそ子どもを利用する。 「子どもたちは非常に有益な戦闘員になる。あまり質問をしない。指示に従い、たいてい戦争に行くことのリスクを理解しておらず、また評価することもできない。被害者や目撃者がよく口にしたのは、子どものほうが大人よりもこわいということだ。