ブックマーク / georgebest1969.typepad.jp (4)

  • 検査について、の補足

    前回は、検査についてかなり質的な話をしました。臨床医学、臨床感染症学においては、検査の属性、、、感度とか特異度など、、、だけを議論しても検査の是非は論じられません。大事なのは 状況判断 です。周辺の状況を無視して、検査をするとかしないとか、議論してもその議論は空回りするだけで意味をなしません。 そして、感染者が非常に少ないコミュニティにおいて、ルーチンの検査を行うと検査は間違える可能性が高くなります。これはすべての検査に共通する一般的な特徴で、PCRだろうが抗原検査だろうが、抗体検査だろうが、関係ありません。事前確率が極端に低くなると、検査は役に立たないのです。 このことは、非常に優秀な検査であるHIVのELISA検査で我々が長く経験してきたところです。HIVの検査は感度も特異度も非常に高いスグレモノの検査ですが、これをルーチンで手術の前に何も考えずにやっていると、陽性結果はほとんど「ガ

    検査について、の補足
    a2c-ceres
    a2c-ceres 2020/06/26
  • 検査について

    いまから、検査について説明します。 検査の話をすると、どんな話をしても必ずどっかからすごい怒られます。だから、この原稿もにするだけでネットに挙げないつもりでいました。ならば、基的には少なくとも最後までちゃんと読まなければ文句は言えないので(読まずに文句言う人もいますが、、、密林とかで)。しかし、最近「入院患者は全員PCRだー」といった意見があちこちで聞こえるようになったので、イヤイヤ、ネットに上げざるを得ませんでした。先回りして結論を今言っておきますが、入院患者全員にPCRは、しないほうがいいです。 相変わらず長いです(笑)。最後まで読まない人、読めない人はからんでこないでくださいね(笑)。我ながら、よい予防線だ。 まずはPCRから PCR、ポリメラーゼ連鎖反応はウイルスの遺伝子を見つける検査です。定量的な検査と、定性的な検査があります。 定量的な検査とは、ウイルスがたくさんいますよ

    検査について
    a2c-ceres
    a2c-ceres 2020/06/25
  • マスクについて

    この話も、当はネットに挙げたくはなかったのです。絶対怒られるから。何を言っても。 とはいえ、何も言わなければさらにデマが広がってしまうというジレンマが生じてしまいます。よって、ここでマスクについても説明します。これも長いですよ。 実は、マスクについての考え方について、新しく説明すべきことはあまりありません。どうしてかというと、その考え方は、 検査の考え方 と全く同じだからです。すなわち、 マスクの属性 だけで、マスクを論じてはならない。マスクがどのように飛沫の放出を防ぐかとか、防がないとか、富岳のシミュレーションでどうだとか、そういう「マスクの性能」は議論の一部をなすけれども、議論の全てではないってことです。 察しの良い読者はお気づきでしょう。そう、実はマスクの議論も、検査の議論同様、 状況の判断 が大事なのです。もう少し詳しく説明しますね。 マスクの効果についてはすでにメタ分析が出てい

    a2c-ceres
    a2c-ceres 2020/06/25
  • 事実に誠意を

    これから書くことはほとんど、これまでも繰り返し申し上げてきたことと変わりない。が、同じ質問は繰り返し受けているので、再度申し上げる次第である。なお、海外からも同様の問い合わせが多いので来であれば英語でも同じ内容の文章を用意すべきだが、時間の関係で割愛させてください。Chromeかなにかでそれぞれ母国語に訳してお読みいただけると幸いです。なお、稿は特に感染症学の基礎知識やジャーゴンを知らなくても読めるように工夫はしているが、それなりに難解な内容だ。その点はご容赦いただきたい。 日COVID-19報告数が諸外国に比べて非常に少ないことに内外から注目が集まっている。あれは当なのか。検査数が少なすぎて、実際の感染者数を見誤っているのではないか、という指摘がある。 しかし、この指摘はいろいろなレイヤーにおいて間違っている。そもそも、日COVID-19の全数把握を目指していない。行政検査

    事実に誠意を
    a2c-ceres
    a2c-ceres 2020/03/27
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