4年も前に終わったテレビ番組のことを取り上げても仕方がないような気がしなくもないが、今でも折に触れて、この番組の最終回について考えることがある。 ラリー・ウィルモアは日本ではほとんど知名度がないと思うが黒人のコメディアンで、最近ではBlack-ishやInsecureといったドラマのプロデューサーとしてのほうが有名かもしれない。ウィルモアは2015年から翌年にかけて平日夜中にテレビ番組を持っていたことがあって(スティーヴン・コルベアの出世作となった「コルベア・リポート」の後釜)、それが「ナイトリー・ショー・ウィズ・ラリー・ウィルモア」である。 コメディアンが司会を務める、笑いや風刺の要素を多くしたニュース風番組というのがアメリカのテレビでは近年一大カテゴリを成していて、ウィルモアのもその一つだったが、この番組は「Keep it 100」(忖度抜きで100%真っ正直に、とでも訳せようか)を旗