新型コロナ禍で“ネット私刑”が加熱している。感染者の個人情報をネット上にさらし、誹謗中傷を行う人もいる。このような行為は罪に問われることもある。デマの拡散による被害も深刻で、ネットユーザーは自制心を持って情報発信を行う必要がある。 新型コロナウイルスに感染したことを隠して高速バスに乗った山梨県の20代女性に対して「コロナをまき散らしている」などとインターネット上で批判が集中し、実名や顔写真とされる真偽不明の情報が公開される事態に発展した。事件や災害が起きるたびにこうしたネット上での行き過ぎた誹謗(ひぼう)中傷は繰り返されており、2019年には、あおり運転事件の共犯者と名指しされた無関係の女性が同様の被害を受けた。コロナ禍で外出自粛や休業・休校が続く中、不安やストレスのはけ口として、いわゆる「ネット私刑」を容認する空気がまん延しかねず、専門家は警鐘を鳴らす。(大渡美咲) 個人情報さらし この