ソマリア沖・アデン湾の海域は、年間約1,600隻の日本関係船舶が通行するなど、日本の暮らしを支える重要な海上交通路です。ソマリア沖・アデン湾及びその周辺の海域では、平成20年以降、海賊事案が多発し、その発生件数は、平成21年から平成23年まで年間200件以上となっていました。近年は、自衛隊を含む各国海軍等による海賊対処等の国際社会の様々な取組の結果、海賊事案の発生件数は低い水準で推移しています。しかし、海賊を生み出す根本的な原因とされているソマリア国内の貧困などはいまだ解決されておらず、また、ソマリア自身の海賊取締能力もいまだ不十分である現状を踏まえれば、国際社会がこれまでの取組を弱めた場合、この状況は容易に逆転するおそれがあります。このように、わが国が海賊対処を行っていかなければならない状況に大きな変化はありません。 自衛隊は海賊対処法(平成21年7月施行)に基づき、派遣海賊対処行動水上