「友だちや彼氏彼女から、『実は私、部落やねん』とか『実は俺在日やねん』とか『実は俺ゲイやねん』とかカミングアウトされたらどうする?」って聞くと、たいていの学生は「そんなの関係ないよ、ひとりの人間として好きだよ」って言っちゃうみたいで、「それ言うたらあかんよ」って言うとみんなびっくりする。 「ゲイだろうが何だろうが関係ない、人間として」っていう言い方は、せっかく勇気を出してカミングアウトした問題に関して「関係ない」って言っちゃうってことだし、とか、部落に対する自分自身の差別意識を変えないまま目の前のそいつだけ特別扱いするだけのことにしかならん、とか、まあこういう話はわれわれの業界ではわりとよく語られる定番の話になってるんですけども、そういうのがまたカミングアウトを無効化する暴力にしかならんのやわ、というと、学生たちはみんなへー、ってなって、わりと最後のレポートでもこのネタで書いてくるやつが