基本的に国立国会図書館デジタルコレクションを活用し趣味をこなしていた。しかし趣味の活動が成長し、国立国会図書館デジタルコレクションだけではまかなえないケースが出てきている。今回もそれで、どうしても読みたい本を読むために10万円ほど使った。私の人生では、最もお金のかかった読書だった。 読みたかったのは明治三五年に書かれた本で、数年に渡って古書を購入しようとしたが出品されない。当たり前だがないものは買えない。三つの大学図書館に収蔵されていることは知ってはいたが、私は大学生でもなければ研究者でもないので読むのが難しい。いくつかの手段はあるが、面倒くさいのである。 そもそもの話になるが、未読の本なので本当に読みたい本なのか読まないと分からない。タイトルと著者、出版年や出版社、そして広告文からおおよその内容は分かっているものの詳細は不明である。おそらく読みたい本だろうといった曖昧さしかない。貧民街関