一戸町教委は、同町岩舘の御所野遺跡出土の縄文土器についていた編み物の痕跡を調査し、スズタケが素材だった可能性が高いことが分かった。同町の伝統工芸「鳥越の竹細工」の素材もスズタケで、4千年の時を超え合致。同遺跡を含む「縄文遺跡群」世界遺産登録に向け、縄文文化の現代への継承を証明する貴重な成果で、工芸の伝承にも弾みがつきそうだ。 近年の縄文研究の進展で、縄文人は土器だけではなく多様な編み物を作り、木の実の貯蔵などに使っていたことが分かっている。だが、植物は腐って残らないことが多く、研究は困難だった。 町教委は、佐々木由香嘱託研究員(植物考古学)と共に、同遺跡中央部から出土した縄文中期後半~末(約4500年前~4千年前)の土器片を調査。 縄文人が土器を製作する際に底についた編み物の痕跡57点を、シリコンでかたどるレプリカ法で採取。節の形状を詳細に調べたり、職人の協力で実際に素材を加工して編む実験