カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を目指す大阪府と大阪市の動きが失速気味だ。両議会で慎重論が強まり、府市が提案した調査費は大幅に減った。「経済再生の起爆剤に」と意気込んでいた橋下徹市長は「誘致では負けるでしょう」との姿勢を示している。 橋下氏が代表を務める大阪維新の会の府議らは15日午後、府市がIRの誘致先とする大阪市此花区の人工島「 夢洲 (ゆめしま) 」を視察。最大約190ヘクタールを観光関連の開発に想定しており、ある府議は「でかい。IRが来なかったら何に使うのか」とつぶやいた。 視察前の勉強会に招いたコンサルタント会社の講師は、ライバルの横浜市などと比べ、遅れ気味と指摘したという。 府市によるIR立地準備会議は2014年4月に夢洲を候補地とする方針を決定。だが大阪維新は今年4月の統一地方選で府市両議会とも過半数の議席を得ることができず、「大阪都構想」をめぐる対立を経て孤立感