思想家・吉本隆明の足跡を、リュウメイ世代でもなく、にわか仕込みの知識しか持たない筆者の拙い言葉で、あらためてなぞるような真似はすまい。 戦後最大の思想家、知の巨人、今世紀最後の哲人…、その人物の偉大さについては、それら称えられた数多の異名が、既に、十分に、物語っている。 仮に、吉本隆明、この思想家の偉大さそのものが、ある時代の、ある一つの、共同幻想のようなものなのだとして、その夢はきっと、見果てることのない夢。そして、我々は未だ、吉本隆明という夢の巷にいる。未だ、彼の思想で呼吸している。 ?吉本隆明にとってエロティシズムとはなにか?? 御年86歳、なおも思考は矍鑠と、思想家が性を語った。 (2011年7月5日、東京・駒込、吉本隆明邸にて) 吉本 どうぞ、お楽に…。今日はわざわざご足労頂いてありがとうございます。 ?恐縮です。本日はどうぞ宜しくお願い致します。 吉本 こちらこそ宜しくお願い致