日本の就職活動は、いまだに新卒採用が主流だ。多くの学生が同時期に就職活動を始め、在学中に就職先を確保し、卒業後の4月1日に入社する。特定のポストに応募するのではなく、入社した後、会社から仕事が振り分けられるというシステムである。 新卒採用は学生に対して「甘い」システム しかし、新卒一括採用は硬直したシステムとして批判されることも多い。「学業の妨げになる」「画一的すぎてやり直しがきかない」「就職後のミスマッチが多い」といった指摘だ。実際、厚生労働省の統計によれば、2014年の新卒就職者のうち12.2%が1年以内に、2013年卒の31.9%が3年以内に離職している。高い確率でミスマッチが起こっていることからも、新卒採用に欠点があることは事実だろう。 そういった欠点を踏まえ、「日本でも欧米型の雇用を!」と提言する声もある。この欧米型とは、一般的に、「採用の時期を限定せず、専門特化型の人材を決まっ
![日本の学生は、世界的にみると特権的立場だ](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/ea9b0f5fe934ff0d4609dfa6887f1d80eedd0667/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Ftk.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F4%2F0%2F1200w%2Fimg_40e29bfad905972c2bedd92bc024bd5063241.jpg)