東日本大震災で運休が続く岩手、宮城のJR3路線を巡り、「復興のシンボル」として鉄道復活を訴える自治体と、復旧の早さやコスト安を掲げて「バス高速輸送システム」(BRT)に切り替えたいJR東日本の間で溝が埋まらない。 双方とも地域復興への効果などについて説明不足で、不自由な生活を続ける住民からは「早く結論を出してほしい」との不満も出ている。 「基本は鉄路だ」。岩手県陸前高田市の戸羽太市長は2月28日、記者会見で語気を強めた。JRが県内の山田、大船渡線でBRTを検討していることに強く反発したものだ。 同市など沿線13自治体はその4日前、「三陸沿岸の早期復興の実現に、鉄道の堅持が強く望まれる」との緊急決議を採択した。両線の間を走る第3セクターの三陸鉄道が復旧を進めていることから、「三陸沿岸が線路でつながっていることが重要。人の流れが分断され、観光などにも影響する」と訴える。 ただ、両線の利用者は震