(1)近世の領主直轄林(御林(おはやし))のうち,とくに林相のすぐれた山林の範囲を限り,住民の立入りを禁制した保護林。留林,建山(たてやま),禁林ともいう。尾張藩が自領木曾山林において1665年(寛文5)に制定したヒノキの留山(木曾山),同期に弘前藩がヒバの美林(津軽ヒバ)を囲いこんだ留山などがよく知られている。広葉樹等の伐採は許可されるが特定の針葉樹は伐採を禁じているような場合は留木(とめぎ)という。留山・留木は藩の資源保護制度とみてよい。盛岡藩では御用材のほかは伐採しないのを通則とし,仙台藩では他領との境界に近い御林を御留山(おとめやま)とし,軍事用材の調達予備地として禁伐とした。御留山のうちでも,付近の村民に保護を委託し,代償として,落枝,落葉の採取を認めているのもあり(土佐藩),いっさいの雑木,小柴の採取を禁止している場合もある(盛岡藩)。留山制を解除した山を明山(あけやま)という
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