太平洋戦争が終わって六十年、自ら戦争を体験し、その苦しさ、悲惨さを知っている人々は もはや年老いて少なくなってしまっています。 20世紀は戦争の時代といわれているがごとく、日本では昭和20年まで常に戦争の影響 を受けた生活を強いられていたのです。冷徹な国家の意思のなかで、常に苦労を強いられる のは一般国民だったのでした、この時代に生きてきた人々にかかわる物品、資料を収集していると 一つ一つのものが、戦争というものを一人一人の視線から語ってくれるように思えます。 徴兵され召集された一般の兵士は生きて帰ることを願いつつも命令を遂行するため頑張り、 国内銃後の人々は耐乏生活をしいられ遂には空襲までうけるに至りました。 この時代の物に触れるにつけ、たかだか六十数年前の日本にこんな苦難の歴史があったのかと 思いをめぐらせてしまいます。 そして大日本帝国という異常な国家の中でこれら