本記事は、文字数の都合で「人はなぜ“将棋”に人生を捧げるのか 最長手数の詰将棋『ミクロコスモス』(1525手詰)作者に聞く『詰将棋と向き合ってきた40年間』」では収録しきれなかった内容を収録。やや専門的な語も出てくる将棋ファン向けの記事となります。 将棋界には偉大な記録が存在する。羽生善治九段のタイトル獲得99期、大山康晴十五世名人のタイトル戦連続登場50期、加藤一二三九段の最多対局数2505局、藤井聡太七段の29連勝――。これらは歴史に名を刻まれた天才たちの、色あせることのない記念碑だ。 一方、将棋を使った頭脳パズル「詰将棋」においても、破られていない金字塔といえる記録が存在する。詰将棋作家・橋本孝治さんによる「ミクロコスモス」の“史上最長手数”、1525手詰だ。 ミクロコスモス(1525手詰) 同作では、玉が“と金のベルトコンベヤー”に乗ったかのように、右へ左へと同じ場所を往復。約15