苺の夢がケーキ屋を営むことだと知った時、両親はどうにかその夢を諦めさせ、真っ当な職に就くかせようとあらゆる手段で説得を試みた。しかし固い決意と強い不満に駆られた苺は、自分の甘い情熱が本気であると証明するために家出してしまう。 そこで苺は、小さなケーキ屋 Sugar's Delight と、穏やかで脳天気な、それでいてとても優しい経営者ココアに出会った。ほどなくして苺は、夢だった仕事に就いてケーキ作りを学びはじめる。その時は、なにもかもが順調のように思えた。 ――苺が、単に美味しいストロベリーケーキを焼くだけでなく、それ以上のレッスンを受けるようになるまでは。次第に初心な苺に手を出しはじめるココア。人生に現れた一番新しい素材に対して、彼女がもっとも気に病んでいることは、少女が年上の肌を受け入れてくれるかどうかだった。