ホラー漫画を描き、そして描かなくなった理由を明かした漫画家の日野日出志さん=大阪府河南町で2023年2月9日、大西岳彦撮影 「なんでこんなものを描いているんだろうって、いつも迷っていました」。伝説のホラー漫画家、日野日出志さん(76)は、こう告白する。1967年にデビューし、苦情が来るほど怖い作品を発表してきた。「どこまで振り切った作品を描けるか」とギリギリの勝負をしていたが、50代でいったんペンをおいた。「生と死」に向き合うがゆえの苦悩があったからだという。 「イタズラ」のつもりが 怖すぎて苦情も 「きみが死ぬ番だ!」 記者(31)は子どものころ、何気なく手にした漫画のワンシーンが、今もトラウマになっている。 「日野日出志」を名乗る漫画家が、自身の生い立ちを語る。孤独に生きてきた彼は、少年時代にいじめっ子を絵の中で殺すと、本当に死んでしまう。自身を虐待した母親や漫画の編集者など、恨みを持