典型的な例がサウスウエスト航空である。ハーブ・ケレハーのリーダーシップの下、同社はユーモアのセンスや気取らない態度、従業員を大切にすることで知られるようになった。この独自のアイデンティティにより、利用客に楽しい経験を供すると同時に、従業員の生産性も上がった。たとえば運航の合間に機内の清掃を行うのは、清掃スタッフではなく客室常務員だ。それにより搭乗ゲートに待機する時間が減り、定時運行が増えた。整備担当者は、同社が保有するボーイング737型機のメンテナンス方法を日常的に改善し、コストの低下と稼働時間の向上に貢献した。こうして同社の戦略において重要な要素(コストの抑制など)が強化された結果、同社は世界最大の低価格航空会社となり、最も高い収益力を誇っている。 ただし、企業文化とは独自のアイデンティティにとどまらない。卓越した業績を上げている企業は全般に、戦略に合致し、望ましい従業員の行動を強化する