「資産管理会社を設立したほうが何かと有利ですよ」――。一代で財を成した人は、資産が目覚ましく増えていく最中で顧問税理士などからこう囁かれたことがあるはずだ。一方で、代々の資産家にとっては「今さら?」と受け止められる言葉かもしれない。 外資系金融機関で富裕層向けに税務対策商品を提案し、独立して数々の事業を営み、現在は自分自身が顧客としてプライベートバンクを利用している佐山哲哉氏(仮名)は指摘する。 「提案される側のみならず、税理士も含めて提案する側にも、本当に何をどうするのが最善であるのかを網羅的に把握している人が乏しいというのが日本の実情です。単に、『複数の賃貸不動産を運用しているなら、法人を設立してその所有にしたほうが有利ですよ』といった薄っぺらな提案にとどまりがちです。その法人を活用すれば、さらにさまざまなメリットが得られるにもかかわらず、そこまで言及されるケースは乏しい」 資産管理会