「何気なく手に取った一冊で、人生が変わった」。そんな経験のある人は多いのではないでしょうか。雑誌「プレジデント ウーマン」(2018年1月号)の特集「いま読み直したい感動の名著218」では、稲垣吾郎さんや西野亮廣さんなど11人に「私が一生読み続けたい傑作」を聞きました。今回はその中から為末大さんのインタビューを紹介します――。 精神的に追い込まれたときに読んだ「愛」の本 2012年に現役を引退するまで、僕の仕事はアスリートとして、ひたむきに走り、ハードルを跳び越えていくことでした。個人競技においては記録がすべてで、向き合う相手は常に自分。自分の肉体と心を扱わなければならない、とてもセンシティブな戦いです。勝ってもそこでおしまいではなく、いつのどのトレーニングがよくて、メンタル状態がどうよかったのかを分析する必要がある。だからこそ、己を知ることがとても大事なんだと日々感じていました。 ▼禅の