[ cinema ] エドガー・ライトが2013年のベストの一本に挙げ、ジャド・アパトーが絶賛した(アパトーは次回作『Trainwreck』に本作主演のブリー・ラーソンをキャスティングしている)まだ無名の新鋭監督の長編二作目『ショート・ターム』の舞台となる短期保護施設にいるのは、家庭のトラブルで深い傷を負った子どもたちだ。つらい秘密を持ったナイーヴな彼らを、時に愛が傷つけている──触れると灯りが点いたり消えたりするランプのように。性的虐待、ネグレクトなど愛されるはずの親から受けた傷により家庭の中に居場所をなくし、行き詰ってしまった子どもたちの内面には愛への恐怖が隠されているのではないか。ふてくされた15才の少女ジェイデンは、いかにも堅い殻で自らを守っているかのように、目の周りを黒く縁取ったアイメイクをしている。そして、間もなく18才を迎える寡黙な少年マーカスにとってこの世界は、まるで金魚が