エンリコ・クロー●文 text by Enrico Curro 内海浩子●訳 translation by Uchiumi Hiroko 試合後、ブッフォンと抱き合うザッケローニ監督 photo by Getty Images 日本戦はイタリアにとってあまり楽しいものではなかった。集中力の欠如にプランデッリは激怒していたし、「レシフェの暑さと疲労があったにせよ、イタリアのようなチームが常に同じ集中をもって戦えないとは許し難い」と、主将のブッフォンは監督以上に厳しい表情だった。 同時にブッフォンは香川、本田、岡崎という2列目を筆頭とする日本代表の技術レベルへの驚きも隠せなかった。 「然るべき注意力に欠けていた我々のせいもあったとはいえ、それよりも日本が良かったというのは否めない。特にテクニックの高さにはびっくりした。代表のGKとして17本もシュートを打たれるなんて初めてだ」 確かにイタリアの